血液型と気質

 先日、知人から唐突に、「伊賀上さんって、○○型ですか?」と聞かれた。無論の事、血液型の話なのだが、こういった聞き方一つ取ってみても、その人の心情というものは見えて来るものである。ちなみに、この質問に関して言えば、「何型ですか?」と聞く人よりは、「○○型ですか?」と聞く人の方が、知りたいという欲求は大きい。何故なら、人は他人の知りたいという欲求に対しては警戒心を抱くものであり、その警戒心を抱かせたくない(=知りたい)という心理がより働いているのは、後者の方だからである。尚、同じ事は、他の事についても言える。例えば、「(出身)大学、何処ですか?」という質問よりも、「○○大学ですか?」という質問の方が動機が強く、「彼女、いるんですか?」という質問よりも、「彼女、いるんでしょう?」という質問の方が動機が強い…といった具合である。
 現時点に於いて、血液型と気質との関連は、科学的に解明されていない。しかし、本ウェブサイト記事、”不思議な話・後記”でも示した通り、科学的に解明されていないという事と、その否定の証明(※)との区別は重要である。ニュートンは力学の分野に多大な業績を残したが、彼が万有引力の法則の着想を得た瞬間から、かかる法則が成立し始めたのではない。人類が誕生する遥か以前から、林檎は地球の中心に向かい、引き付けられていたのである。科学には、常に新たなる可能性が秘められている…その事を、忘れてはならない。
 ちなみに、私は、次の様な仮説は成立し得ると考えている。人間(に限らず、殆どの生物)は、体のある部分を形成する際、その部分を担当する細胞は自分の担当部位を把握し、その担当部位の設計図(DNA)通りに変化しようとする。しかし、どの部分が何を決定しているのかという事については、実は殆ど分かっていない。この辺り、血液型を決定する際に参照している塩基の配列(DNAの一部)が、実は他の何かを形成する際にも参照されていたとしたらどうだろうか?そして、その”他の何か”が気質に影響を及ぼすものであったならば、”血液型が気質に影響を及ぼす”…正確には、”血液型を決定する際に影響を与えるのと同じ要因が、同時に気質に影響をもたらす何らかの要因を決定する際にも影響を与える”という事が、言えるのではないだろうか?

 この仮説が正しいか否かについては、現時点では何とも言えない。ただ、私は、少なからず可能性があるのではないかと考えている。尚、私の血液型については、これを読んでいる皆さんのご想像に、お任せしようと思う。

※:否定の証明は、”悪魔の証明”と呼ばれ、これは一般的に言って難しい。尚、フェルマーの最終定理などは、この代表的な例である。