MENSA(メンサ)

 ”管理人の紹介”にもある通り、私はメンサ(MENSA)という高知能団体(高知能である事を入会条件とする団体)の元会員なのだが、最近、同団体のメディアへの露出が増えたためか、メンサについて聞かれる事が多くなった。従って、今回はそのメンサについて書こうと思う。但し、最初に断っておく。私は、ここに書くからには等身大の姿を、ありのままに書こうと思う。内容的には、かなりディープなものを含むし、本来ならば一般には出回らない証拠資料も、可能な限り公表して行くつもりである。一部では、これを告発、乃至は暴露と見る向きもあろう。そしてそれは、メンサを己が凡庸さの隠れ蓑にして来た会員たち- メンサという団体に所属している、若しくは、所属していたという事実が、そのステイタスの中核を占める -からしてみれば、自身の社会的価値を著しく損なう許し難い行為であるに違いない。しかし、どんな結果が生じたにせよ、それが真実である限り正義であると私は信じている。私は自らの信念に従い、全ての真実をここに公表する。

 私がメンサに入会したのは、2007年07月の事である。もっとも、メンサという団体の存在については小学生の頃から知っていた。そのメンサについて調べようと、何気なくgoogleで検索してみると、”メンサ日本語コミュ”というウェブサイトに行き着いた(※01)。そのウェブサイトを運営していたのは、後にJAPAN MENSAの初代議長(会長)となる新妻比佐志である。
 ここで、当時の状況について少し述べておこうと思う。当時、メンサ会員の中で精力的に活動していたのは、今述べた長野県在住の新妻比佐志(以下、新妻と表記)の他、池袋在住のS・W(女性。以下、Sと表記)、兵庫県在住のH・H(以下、Hと表記。尚、彼は極めて珍しい苗字を持つ)の三名であり、この三名はいずれも日本メンサの元会員である。
 日本でのメンサの歴史について、少し触れておこうと思う。まず、メンサにはメンサ・インターナショナルという発祥の地イギリスにあるメンサ本部と、ナショナル・メンサという国別の支部が存在する。但し、ナショナル・メンサは全ての国にある訳ではなく、設立には一定の条件を満たした上、各国のメンサの代表者が集まる集会で承認を得なければならない。つまり、ナショナル・メンサは基本的に本部主導ではなく、各国会員の有志の働きかけにより設立される。
 かつて日本には、日本メンサというナショナル・メンサが存在していた。しかし、内部分裂によりその機能が麻痺し、日本メンサはナショナル・メンサとしての承認を取り消された。つまり、正式なナショナル・メンサとしての日本メンサは、この時点で消滅した訳である。その後も日本メンサの会員だった前述のSとHは、消滅した日本メンサからメンサ・インターナショナルに籍を移し活動を続けた。両名とも、メンサの入会テストを実施する資格(”Test Superviser”という)を有していたため、入会希望者の募集からテストの実施までを誰の力も借りる事なく行えた(※02)。
 日本メンサの消滅以降、新妻はメンサを離れていた。しかし、かつて日本メンサで顔見知りだったHの働きかけにより復帰し、活動を再開する運びとなった。しかし、ここで一つの問題が生じた。メンサでは、過去に入会していたという事実があれば、再度入会する際に入会資格(知能指数が、一定水準に達している)を満たしている事を証明する(※03)必要はない。ところが、新妻は日本メンサ以外のメンサ(メンサ・インターナショナルや、他国のナショナル・メンサ)に所属した経歴がなく、また日本メンサそのものが既に消滅してしまっているため、彼の名が記された名簿はどこにも存在しない。つまり、新妻がメンサに所属していたという事実を証明するものは何もない訳である。もっとも、この問題はHがメンサ・インターナショナルに対し、彼が確かに日本メンサに所属していたと証言する事により、比較的容易にクリアする事が出来た。
 Hから促される形でのメンサ復帰となった新妻であったが、その後、最も野心的に活動していたのはおそらく彼である。まず彼は、他の二人よりも本格的なウェブサイト(※04)を立ち上げ、私財を費やしてgoogleの有料広告に登録した(※05)。無論の事、これは個人が管理・運営するウェブサイトでしかないのだが、かかる事情からメンサに興味のある者、入会を希望する者の大半は、メンサ日本語コミュを利用していたものと推測される。つまり、この時点でのメンサ日本語コミュは事実上、日本に於けるメンサ公式サイトとしての役割を担っていた。

※01:当時とは随分、様相が異なっているが、現在では日本語SGIとして残っている
※02:本来ならば、”会員が、入会希望者が存在する旨をメンサに伝える ⇒ メンサが、適当なTest Superviserに働きかけ、その者に対し入会テストを実施する”という運びであり、入会希望者をメンサに紹介する会員とTest Superviserとは、根本的に別である。しかし実際には、入会希望者をメンサに紹介する者がTest Superviserの資格を有していた場合、その者が入会テストを実施する傾向が強い。
※03:入会テストを受験し合格するのが一般的な方法であるが、知能指数が既定の水準に達している事を示す公的な書類を提出する方法も、支部によっては認められている。
※04:前述の、”メンサ日本語コミュ”である。もっとも、本格的とは言っても、当時三人が運営していたウェブサイトは、いずれも洗練されているとは言い難い。ただ、他の二人が管理・運営しているウェブサイトが、おのおの個人を中心とした同好会の様な趣のものであったのに対し、メンサ日本語コミュは新妻個人を全面に押し出しておらず、その分だけ傍目には、公的色彩の強いものとして映っていた。
※05:これにより、メンサ関連の検索をすると、常に”メンサ日本語コミュ”が検索のトップに来る様になった。

 私がメンサの入会テストを受験するに際し要した手続きは、そう面倒なものではなかった。メンサ日本語コミュ内に設置された専用のフォームに、個人情報、並びに選択した試験会場や日時を入力するだけで良く、返事のメールはすぐに届いた。メールには、試験会場(東京・青山にある薬局の一室)や開始日時(正確には覚えていないが、午前8時から11時の間だったと思う)の他、受験の際に必要な所持品や注意事項といった通り一遍の事が書かれていた。
 試験会場では、純白のシャツに蝶ネクタイ、黒いズボンにサスペンダーといった出で立ちの小洒落た格好をした新妻が待っていた。彼は、テレビなどに出演する際は基本的にスーツを来ているが、それ以外の時はある種こだわりを感じさせる身形をしている。     
 入会テストは、彼が一人で切り盛りしていた。試験日時が平日の午前中であった事から受験者は私も含め三人と少なく、私以外の二人は何れも大学生風で、その内の一人は韓国人と思わしき個性的な眼鏡をかけた人物だった。
 会場に入る前に、身分証の提示と受験料(※06)の支払いが求められ、併せて個別の写真撮影が行われた。会場では既に解答用紙がセッティングされており、各自着席してすぐ今後の流れや解答用紙に記入すべき事柄、解答を記入する上での注意などの説明が一通り行われた。その際、例の韓国人らしき受験者が、入会テストに合格したとして、その実績を帰国した後の入会に使えるのかといった風な事をしきりに聞いていた。新妻は、合格した記録は残らないので、試験で出した実績は直後の入会にしか使えないが、一度入会しさえすれば在籍記録は残るから、どのタイミングでメンサに入会するにしても一度は入会する必要があるといった趣旨の説明をしていた。
 全ての説明が終わった後、明らかに使い古された感じの試験問題の冊子が配布された。表表紙・裏表紙共に無地の手作業による製本が為されたもので、試験後は即座に回収される。試験は20分45問の8択問題(※07)。単純に計算すれば、1問辺り30秒はかけられない計算になる。
 私は知能検査に関する一般的な知識はそこそこあったので、試験問題を見た瞬間、それがレーヴン漸進的マトリクス検査(※08)に基づいて作成されている事を理解した。私は、この検査項目は苦手な方(※09)だが、問題そのものは簡単なものが多く、その殆どは法則性を導き出すのに5秒とかからない。結果、思っていたよりも遥かに早く解き終わった私は、問題を一通り見直してみても、まだ時間には余裕があった。
 受験の際に新妻が言っていた通り、結果は一週間ほど後にメールで届いた。明け方の三時頃(時計を見たら、ちょうど03:33だった)という思いがけない時間ではあったが、それから直ぐに入会の手続きをし会費(※10)の支払いの段取りを済ませた。会員資格は直ぐに得られたが、実際に会員証が手元に届いたのはそれから一ヶ月ほどが経過した後の事である。メンサ・インターナショナルが絡むと、何をするにしてもそれなりの時間がかかる。この時も同じだった。
 私がメンサに入会したのは、高知能者のためのコミュニティの必要性をかねてより感じていたからである。自分の言い分が通ぜず、また、それが相手の知能の低さが故である事が分かっている場合のストレスというのは相当なものである。ましてや、その相手の様な人物が集団の大多数を占め、それがために自分の方が間違っている事にされてしまうとなると、それが如何なる問題であれ救い様のない気分になる。多少の問題を孕んだ例えである事を承知で言わせて頂くならば、通常人とて周りが知的障害者ばかりであったならば、そして、知的障害者の基準で環境が形成されてしまうならば、その絶望感たるや相当なものだろう。高知能者というものが存在する以上、この凡人に最適化された社会の中にオアシスを作らねばならない…これは、私がごく幼少の頃から抱き続けて来た思いである。
 私の思いは、公益性という観点から見ても多分に意義のあるものであった。ところが、その活路をメンサに求めた事は明らかな間違いであった。その事に気が付き始めたのは、メンサ日本語コミュに設置されている掲示板(オープンな掲示板で、一般人も閲覧・書き込み可能)でメンサ会員と交流し始めてからである。

※06:受験料は、Test Superviserが任意で設定する事が出来、私が受験した後くらいから10,000円に値上がりした。また、当時は生涯に二回まで受験が許されていたが、受験料が値上がりしたのとほぼ同時期に、生涯に三回までと変更された。
※07:合格ラインは、概ね90%…即ち、45問中40~41問以上正解で合格となる。
※08:WAIS-Ⅲで言う行列推理であり、14ある下位検査項目の中の一つである。
※09:アスペルガー症候群の人間は、動作性検査よりも言語性検査を得意とする傾向にあり、行列推理は動作性検査の下位検査項目である
※10:当時はJAPAN MENSA(メンサ日本支部)は存在しなかったため、メンサ・インターナショナル(メンサ本部/イギリス)直属の会員としての入会であった。当然の事ながら、会費の支払い先はメンサ・インターナショナルとなるが、支払いはポンドで行われるため、レートの変動に応じ支払い金額は変わってくる。ちなみに、私が最初に支払った会費は、2500円程度であった。

 掲示板での会員たちの反応は、苛烈を極めた。まず、私が何か意見をする。すると、会員の誰かが反論を加えて来る。私が、それが間違いである事を指摘する。すると、それらの会員たちはムキになって、”反論のための反論”を加えて来る。そんな事を繰り返しているものだから、掲示板は自然と”私 VS 他会員たち”という様相を呈し、私が主役、彼らが脇役(主役の引き立て役)といった役回りになる。彼らにしてみると、その状況が我慢ならないから、ますますムキになって反論を試み、何とか私を貶めようとする。しかし、そもそも知的格差が甚だしいのに加え、ごまかしの利き難い文面でのやり取りであるから、私からしてみれば、彼らを論破する事など造作もない事である。斯くして、彼らは加速度的に壊れて行き、私に対する憎悪も深まって行ったのである。日本人は基本的に、卓越した人間を嫌うが、あの時の会員たちの行動原理は、まさしくこの卓越した人間に対する憎しみ以外の何物でもなかった。
 だが、そんな中でも収穫がなかった訳ではない。私の書き込みを見た一般の方からは、少なからず応援のメッセージを頂いたし、私に触発されてメンサに入会しましたという方も少なからず現れた。また、別のウェブサイトに公開しておいたメールアドレス宛に、ファンレターも多数届いた。悪意に…殊に、妬みや嫉みに狂った人間の書き込みは、どうしても数が多くなるから、ともするとそれが多数派であるかの如く勘違いしそうになる。しかし、本当の多数派はいつも”声なき声”を上げる。日米安保改定の際、岸信介が言った様に、国会周辺はデモ隊でごったがえしていても、銀座や後楽園球場はいつも通り賑わっているのである。
 ここの件を、もう少し詳しく触れておこう。私の論客たちの内、中心的な役割を果たしていたのは、@というハンドルネームを持つ武内大(以下、武内と表記)であった。私よりも八つ年上の彼は、東洋大学(当時。現在は自治医科大学総合研究部門教授)に籍を置く哲学を専門とする研究者で、その世界ではそれなりの地位を確立しているらしく、メンサの他、”メガ・ソサエティ”という高知能団体にも所属していた。
 メンサ日本語コミュの掲示板が閉鎖した後、私のメンサ会員との交流の場は、メンサ会員限定のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)であるMensans SNSが主となった。ここで、もう一人の登場人物を挙げておく。Яyoというハンドルネームを持つ村地亮(以下、村地と表記)である。彼は元々、メンサ日本語コミュ掲示板で私を知りメンサに入会した人物の一人であり、それだけに最初の頃は私に対して好意的だった。一度などは、彼からのメールに対し私が返事を返すと、「襟を正して、読ませて頂きます」という畏まった文面の返事が帰って来た程である。ところが、いつの頃からか私への敵対行動が目立つ様になり、メンサ日本語コミュの荒らしたち同様、私に対し露骨な誹謗や中傷を浴びせる様になって行った。理由は、よく分からないが、彼は私の発言に注視していただけに、私がメンサ会員たちを見下している事を肌身に染みて感じ取っている。そんな私の言動が、鼻に付いたのかも知れない。
 Mensans SNSでは、武内と村地の協力体制が出来上がって行った。どちらかが私に絡んで来る。そして、私がその間違いを指摘し、相手が陳腐な反論をし…を繰り返していると、もう片方が相手方に加勢するのである。但し、この二人の間で協定が結ばれていたかと言うと、それは恐らくない。私という、共通の敵を持つ事により芽生えた健全とは言えない仲間意識が、この慣れ合い体質を醸成して行ったのである。
 メンサ日本語コミュ掲示板での一連の出来事は、武内にとって相当な痛手だった様で、彼はMensans SNSに於いても三年に渡り私に絡み続けて来ていた。高知能者としてのプライド、学者としてのプライド…様々な思いが、そこにはあったのかも知れないが、彼のやっている事は、どう贔屓目に見ても決して褒められたものでない。私は、この状況を終止符を打つべく最も有効と思われる手を打った。彼の愚かな行いを諌めて頂ける旨の内容を認めたメールに、私と彼とのやり取りをPDFファイルにしたものを添え、東洋大学の(彼と専門領域の近い)研究者数名に宛てて送り付けたのである。その事を彼に伝えると、彼は酷く動揺し、自分のメールアドレスを私に伝えた上で、誰に送ったのかを教える様、求めて来た。私は、己が主張に自信があるならば、誰に見られようが何ら問題はなかろうと冷たく突き放した。
 ところで、この直後に彼は面白い行動に出た。自身の記述を全て削除した上で、「自分は武内大ではなく、武内大に憧れる余り彼の名を語り出て来た偽物だ」と主張し始めたのである。しかし、これはどう考えても無理がある。まず、”武内大”という人物は、特定の世界の中でのみ知られる、いわゆる”知る人ぞ知る”存在であるから、その世界に属さない人間に対し”武内大”の名を語る意味はない。次に、Mensans SNSは前述の通り会員(もしくは、元会員)専用のSNSであるから、アカウントが付与された初期の頃に冒頭で紹介したHによる本人確認(※11)がある。従って、第三者による成り済ましは難しいし、既に本物が登録している可能性や後に本物が登録して来る可能性があるから、偽物が入り込むのはかなり勇気の要る事である。更に言えば、彼がメールを送信した相手を教える様、私に伝えて来たメールアドレスは、ドメインが東洋大学、アカウントが武内大の名前そのものであるから、明らかに”武内大”本人のものである。もし、彼が偽物であるならば、その明らかに”武内大”本人のものであるメールアドレスに宛てメールを送ると、どうなるであろうか?本物の武内大は、何も知らないはずだから、”?”となるはずである。
 自身の恥ずべき行為を、無かった事にしたい気持ちは分かる。しかし、こんな見え見えの嘘をついてみた所で、それは恥の上塗りにしかならない。
 悪意そのままに攻撃を加えるという行為は、思慮分別の欠如が成せる業であり、思慮分別のない人間に必要なのは、教育ではなく調教である。これは、悪漢に犯罪を思い留まらせる上で有効なのは、教会と監獄のどちらであるかを考えれば、自ずから明らかであろう。彼には、何が正しいのかを諭すよりも、間違った行いをした時に痛い思いをするのだという事を、骨身に染みるまで叩き込んでやった方が良い。私は、今度は双方の実名を公開した上で、かかるやり取りの一部始終をインターネット上に公開する意志がある事を伝えた。すると、彼は縋り付かんばかりに私に泣き付き、「気になって、夜も眠れない」「食事も、喉を通らない」と散々泣き言を並べ立てた挙句、「どうすれば、思い留まってくれるのか」と懇願して来た。
 ところで、この武内との応酬の間、村地は珍しく大人しかった。自身の記述が、その書き手の名前と共に世に広められたらと思うと、到底絡む気にはなれなかったのだろう。彼は病的な嘘つきで(私見だが、サイコパスの気がある様に思う)、自身の不利な状況を打開するためなら、嘘八百を並べ立てる事により相手を貶めるといった事を平然とやった。また、他者を恫喝・脅迫する事により、自身に有利な取り計らいをさせるべく水面下で動いていたという事も、他の人から聞かされている。一度などは、私が要求する情報を開示するのと引き換えに、私に”格下であると認めろ”という意味不明な要求を突き付けて来た事もあった。つまり彼は、どんな手を使ってでも負けだけは明るみにすまいと必死だったのである。
 ちなみに、彼は大学入試センター試験が実施する法科大学院の適性試験(論理試験)に於いて、上位0.02%の成績を修め京都大学法科大学院への入学を許可されている。頭が悪い訳ではない。しかし、わいせつな行為による失職をきっかけに長らくニート生活を送っていたせいもあり、(私より四つ年上であるにも関わらず)その幼稚さは際立っていた。彼が社会に受け入れられない最大の理由は、能力云々というよりも、自分の思い通りにならない事があると理性の箍が外れる、その気質の方にあると見るべきだろう。
 余談だが、彼の父親は大津市障害者殺人事件(※12)の裁判で、不良少年たる被告人二名を”内省力あり””感受性豊か”と評し温情判決を下した村地勉元判事である。タイプこそ違えど、この二人の少年に対し非常になり切れなかった彼の心中には、世の落伍者たる息子の影がチラついていたのではないか?…私には、そう思えてならない。
 武内と村地の二人は、メンサ会員の中では数少ない高知能者と言い得るレベルの知能の持ち主(これについては、後述する)であると考えて間違いないと思う。そんな彼らが、格上の人間を前にした時、幼稚な言動に終始せざるを得ない状況に自らを追い込んでしまった事、そして、そういう自分に歯止めを効かせるべく理性と精神面での強さを持ち得なかった事は、返す返すも残念である。
 もう一人、紹介しておきたい人物がいる。メンサ日本語コミュ掲示板に於いて議論している際、途中から”さくら(ハンドルネーム。尚、男性である)”という人物が参入して来た。この人物、非会員ではあるが実に聡明な人物で、あのガラクタばかりが跳梁する掲示板の中にあっては、かなり光っていた様に思う。彼は私に対峙する”荒らし”たちに向かい、何度か重要な提言をした。「高知能者の支持を得たいならば、Voldemort氏(私)を攻撃する様な真似をすべきではない」「あなたたちは、高知能者に対する人々の無理解というものを知っているはずの人たちであるにも関わらず、上位2%の中の上位2%の知能を持つ人間を理解しようとしないのか?」。確かに、あの掲示板を見れば、本物の高知能者は入会を躊躇うだろう。実社会ならば理解を得られないというだけで済むものが、メンサ内部では妬み・嫉みから来るドス黒い悪意に晒されなければならない…そう、宣伝している様なものなのだから。
 ちなみに、その後も彼とメールでやり取りをしたが、彼は当時、京都大学に在籍する学生で、正規の知能テスト(※13)でフルスコアを叩きだした事のある人物だった。私は、高知能者のためのコミュニティの必要性を感じメンサに入会した。それに絡み、確かに十分と言い得るレベルの高知能者ー 且つ、まともにコミュニケーションが取れる人物 ーには出会えたが、その人物は会員ではなかった。考えてみれば、皮肉な話である。
 ところで、メンサ日本語コミュ掲示板での議論が繰り広げられる以前、私はとある国立大学の元教授(思想上の理由により、名誉教授の称号は辞退)が運営しているサイトの掲示板に、別のハンドルネームで出入りしていた事があった。驚いた事に、この”さくら”氏は、メンサ日本語コミュでの私の書き込みを見て、その元教授が運営する掲示板に出入りする別のハンドルネームを持つ人物が私である事を見抜いた。また、今年の04月29日、いきなり何の前触れもなく、

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お久しぶりです。
japan mensa の前議長の掲示板で、一時お話しさせていただいていた者です。
Voldmort さんですね。
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で始まるメールが彼から届いた。ヨハン・ベルヌーイは、匿名で書かれた論文を見ただけで、それがアイザック・ニュートンによるものである事を見抜いたと言う(※14)。”本物の高知能者のみが、本物の高知能者を知る”…これは、紛う事なき真実である。
 語りたい事は山ほどあるが、メンサ日本語コミュ掲示板に関連する話はこれで最後にしようと思う。メンサ日本語コミュ掲示板で議論を繰り広げている中、別の掲示板にメールアドレスを公開した事は既に書いたが、応援メッセージやファンレターに紛れて、何やら不可思議なメールが一通届いた。何でも、とある高知能団体に私を招待したいらしく、もし入会が決まった暁には、私を一会員としてではなく顧問として迎え入れたいと言う。但し、入会には正規の知能テスト(各高知能団体が独自に実施するものではなく、学術的なレベルで認められたテスト)で規定の数値をマークした上で、その事を示す証明書を提出する必要があると言う。通常ならば私も、そのためにわざわざ知能テストを受けたりなどしない。ただ、当時はアスペルガー症候群の診断を受けたばかりで、知能テストの結果を証明する書類は私の手元にあった。私は、それを指定された住所に宛て郵送で送った。
 入会の基準は、人口上位0.1%の知能を有する事であった。私の場合、言語性検査は大体に於いてフルスコアだが、動作性検査は多くの場合、どこかで小さなミスをする(これらの検査項目については、後述する)。今回も、同じだった。
 合格を知らせるメールは、二週間程で私の下に届いた。規定の数値を大幅に上回っている事は、書類が届いた初日の段階で分かっていたが、その真贋を見極める人間の都合が付かず、その分だけ時間がかかっていたとの事だった。ちなみに、どの程度のスコアならば”上位0.1%”に届くのかについては、今以って分からない。ただ、理事の一人である医師のH・T(Hとすると、冒頭のH・Hと紛らわしいので、以下、Tと表記)がこの方面に長けており、彼が提案した基準に基づき判断しているとの事だった。
 私が入会すると、すぐに理事(※15)たちとの交流会が行われた。ここで、私は新たに3つの事を知る事となった。1つは、団体の名前がGeniusesであるという事。1つは、その時点での会員数は、理事を含めれば何とか二桁に届く程度だという事。そして、最後の1つは、メンサ日本語コミュ掲示板を閲覧し、私の書き込みを目にした三名の医師たちにより、この団体が設立されたという事。
 交流会もそこそこに、私はTと二人で話せる場所に移動した。彼は、鞄から何やら綺麗に整理された書類を取り出すと、それを私に見せた。レーヴン漸進的マトリクス検査…そう、メンサが入会テストを作成する際に参考にしたと思われる、あのテスト。彼は、メンサの入会テストというものを、ある程度は知っているのだ。彼は、メンサの入会テストがどういった形式で行われ、どの程度の難易度の問題がどの程度出題されるのかといった事を詳しく聞いて来た。私は、記憶を辿りつつ可能な限り詳しく答えた。すると、暫く考え込んだ末に、彼は一つの結論を下した。

「これは、飽くまで伊賀上さんのお話が正しいと仮定した上での話ですが…」

 彼が言うには、メンサの入会テストは、全部で14ある検査項目の内、動作性検査の下位検査項目である行列推理により測定される知性に近いものが、人口上位10%程度に収まる事を保証するものであるとの事であった。そして、こうも付け加えた。メンサの入会テストに合格したという事実を以て、人口上位2%の知能を有すると判断する専門家は、おそらく0.2%もいないだろう…と。
 それから、少し間を置いて、彼は次の様な事を語り出した。メンサの入会テストは、その主張と照らし合わせて適切とは言えないが、他の高知能団体のものは、それ以上に怪しげなものである。つまり、高知能団体の定義する知能は、厳密に定義された知能とは別物と捉えるべきであり、これらは厳密に区別されなければならない。そして、自分がGeniusesの入会テストに学術的なレベルで認められているもの以外を採用しない事にしたのは、本来的な意味での”高知能団体”にするためだ…と。私は、ここで初めてTがGeniusesの”正規の知能テスト”ルールを盛り込ん理由を知ったのである。
 その後、彼は興味深い事を語った。

「実は、全ての検査項目を等しく評価している訳ではないんですよ」

 彼が言うには、Geniusesが評価に重点を置いているのは言語性知能の方だと言う。つまり、入会基準を満たしているか否かを判定する際、言語性検査と動作性検査の数値を点数化し評価するのだが、言語性知能の方が点数の配分が高いのだと言う。これは、他の高知能団体が動作性知能の一部のみを評価している事を考えると、特筆すべき特徴である。
 更に彼は、こう付け加えた。言語性知能(※16)は高度な思考(抽象的思考)との関連が深く、難しい概念を素早く・深く理解する能力に繋がるため、物事の本質を見抜く能力や知的独創性との関連が深い。また、例えば学生時代、学校で真面目に授業を受けているだけで(飽くまで、これが前提になるが)勉強が出来る人間というのは、言語性知能が高く、必然的に学歴との相関も高くなる。一方、動作性知能というのは、どちらかと言うと視覚的芸術や運動方面に影響を及ぼすものであり、より本来的な意味での知能として捉えるならば、言語性知能の方が適切である…と。つまり、動作性知能は言語性知能に比べ、より原始的な知能だという事である。
 これに関しては、私も以前から考えていた事がある。黄色人種の知能指数は決して低くはないが、知性、及び知的独創性という観点から見ると、非白色人種は明らかに白色人種よりも劣っている(※17)。つまり、動作性知能までをも含めた知能指数で考えると、知性、及び知的独創性と知能指数との相関はいまいち見えて来ない。ところが、これを言語性知能に限定すると、大雑把に言ってアシュケナージ(アシュケーナ系ユダヤ人)・その他の白人・黄色人・黒人といった序列となり、これはそのまま知性の高さや知的独創性の高さの序列と殆ど一致する。更に言えば、高い知的独創性を示す、いわゆる”天才”にアスペルガー症候群が多いというのはよく知られた事実であるが、アスペルガー症候群が有意に”言語性知能 > 動作性知能”である事を考えると、これも確かに先の説を補強するのである。
 高知能団体が、動作性知能ではなく言語性知能を重視すべき理由はもう一つある。高知能団体というのは、一般人に理解され難い高知能者のみを集め相互に理解し合える場を提供するというのが、その存在理由の多くを占めるものであるが、知的格差があり過ぎて通常人に理解され難いというのは、余りにも考え方が論理的であるためである。そして、これに関連しているのは言語性知能の方であるから、動作性知能で選別するに至っては明らかに本来の趣旨を逸脱しているのである。もっとも、これは人種により程度の差が生じる。と言うのも、白色人種は”言語性知能 > 動作性知能”であるが、非白色人種は”言語性知能 < 動作性知能”であるから、動作性知能で選別した場合、白色人種と非白色人種とでは言語性知能に少なからぬ差が生じる。つまり、西欧圏と非西欧圏とを比較すると、西欧圏に於ける高知能団体の方が、より本来の目的に適ったものであるという事が言えるのである。
 話を、Geniusesに戻そう。Geniusesでの私の仕事、即ち、私がGeniusesの理事たちから期待されていた事は、Geniusesを高知能団体として在るべき形にすべく幾つかの提言をする事であった。しかし、本物の高知能団体だけあって、押さえるべきポイントはしっかりと押さえられている。ただ、私は一つだけ、今後を見据えた上での提言をした。”組織の形が出来上がるまでは、徹底した秘密主義を貫く事”…人は、得体は知れないが明らかに非凡な集団が実際に存在し、それが止事無き影響力を持っている事を知れば、それに対し畏敬の念を抱く。カリスマ性は、ある種の得体の知れない感覚により醸成される。つまり、これはブランディング戦略なのである。

※11:Mensans SNSの管理人は、Hである。
※12:下半身不随の障害を負う青木悠君(当時16歳)に、15歳と17歳の少年が暴行を加え殺害した事件。その犯行動機は、身体障害者であるにも関わらず進学校に通っており生意気だという、極めて身勝手なものであった。
※13:メンサを始めとする、高知能団体の大半が採用している知能テストは、学術的なレベルでは知能テストとは認められないものである。これについては、後述する。
※14:「ライオンは、爪を見れば分かる」という言葉を残したという逸話がある。
※15:その団体では、5名の理事が等しく代表権を持ち、彼等によって決議決定が為されていた。
※16:言語性知能という名称から、これを言語能力と勘違いする者は多いが、これが指すものは概念一般を扱う能力であり、言語能力そのものではない。
※17:歴史的に見て、文明の発展が白色人種主導で行われて来た事を考えれば、自明であろう。

 前述の通り、メンサ日本語コミュの掲示板が閉鎖された後の私のメンサでの活動は、Mensans SNSが主となった。しかし、それも先に述べた通り有意義なものとは言えず、武内と村地の両名を退けた後は、暫くメンサから遠ざかっていた。
 この前後、新妻とそれに親しい者たちによるメンサとしての活動は、徐々に活発化の様相を帯びて行っていた。まず、日本に於ける暫定支部が出来る。そして、会員数が増え、その活動が組織化されて行くに従い、その暫定支部はよりグレードの高いものとして認可されて行く。そして、2011年にはとうとう”JAPAN MENSA”は正式なナショナル・メンサとして認可され、日本在住のメンサン(※18)は全て新妻一派が管理・運営するJAPAN MENSAの支配下に置かれる事となった。
 実は、この際に有力な会員の大量流出が起きている。新妻の人間性を知っている、主に旧日本メンサ時代からの会員が大量にメンサを退会したのである。例えば、冒頭に挙げたSとH(※19)は、共に退会している。また、メンサの制度や歴史に詳しく、Mensans SNSを設置したりJAPAN MENSAのドメインを保有したりと少なからず尽力したU・Mや、メンサ日本支部設立に尽力した武内もこれを機にメンサを退会している。つまり、新妻を知る者の大半は、新妻一派の支配下に置かれるよりも、会員としての権利を放棄する道を選んだのである。

※18:メンサ会員の事。尚、この”メンサン(mensan)”という呼び名は、世界中のメンサ会員の間で使われている。
※19:当初は良好だった、新妻とHの関係は、この頃には冷え切っていた。

 2011年08月10日、私は久々に、JAPAN MENSA公式サイトの会員専用エリアにある掲示板を閲覧していた。すると、二つある掲示板の内の一つで、特定会員が他の会員の誹謗・中傷に晒されているのが目に入った。そこで私は、次の書き込みを行った。尚、ここに引用するものは、基本的に書き込んだ内容そのままであるが、本文中に公開していたメールアドレスを削除した関係上、若干の整形を施してある。また、Imhotepというのは、武内が当時JAPAN MENSA内で使用していたハンドルネームである。

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投稿者:KAISER(伊賀上 剛史) 投稿日:2011/08/10(wed)

 唐突ですが、失礼。私は、伊賀上という者で、かつて存在した⼀般向けメンサ日本語コミュ掲示板ではVoldemortという名で通っておりました。現在のニックネームはKAISERですが、主張内容との兼ね合いから、敢えて本名で書かせて頂きます。
 私は正直、このスレッドをそれ程までに念⼊りに読んだ訳ではないので、余り深⼊りした事は⾔えませんが、ざっと読む限りでは、単なる中傷や煽りと判断すべき内容の記述が散⾒されます。正直、メンサには驚く程に知的⽔準の低い⼈間が多い事は、⼀般向け掲⽰板で繰り広げた議論(議論と呼び得るレベルの主張が出来る⼈間など、ごく限られていましたが)である程度は存じておりましたが、この団体の余りの進歩のなさに、正直呆れ返っています。また実際、知的な⼈間と⾼度に知的なやり取りを繰り広げたいのに…と失望してしまう⽅も、決して少なくはないのではないでしょうか?私に触発され、⼊会して頂いた⽅も少なからずいらっしゃった様ですので、私と致しましてはその様な⽅々に対し、全く以て⼼苦しい限りです。
 そこで、⼀つ提案があるのですが、この議論を素性(本名等)を公開した上で続けられては如何でしょうか?とんでもない…と思われる⽅もいらっしゃるかも知れません。しかし⼀部の者の思慮分別に期待する事が出来ない状況に於いては、これは荒らし⾏為に制約を加え、建設的な⽅向に議論を進めて⾏く上で唯⼀、効⼒の認められる⽅法です。
 ちなみに私は、こんな事をやった事があります。かつて、Inhotepという者がメンサにいたのですが、この⼈物と私との議論は常に、私が根拠や理由を明⽰しているのに対し、かかる⼈物は単なる決め付けによる中傷に終始し、私がその根拠や説明を求めれば逃げるといった堂々巡りの繰り返しでした。ある時…これは、某掲⽰板での出来事ですが、例によって性懲りもなく彼が逃げ回るので、彼の記述を全てファイルにし、職場の⽅に送り付け、彼の荒らし⾏為を諌める様、要請した事があります(その内容につきましては、希望者には配布致しますので、メールして下さい)。すると彼は今迄にない程に取り乱し、また⾃⾝の記述を全て削除し、哀願せんばかりに許しを乞うて来ました。無論の事、私の⾏動が⾏き過ぎではなかったかと⾔えば、そうではないでしょう。しかしながら、私に対するコンプレックスの塊と化してしまっていた彼の荒らし⾏為を⽌めさせる⽅法としては、恐らくかかる⼿段を以て⾃らの発⾔に責任を持たせる意外に⽅法はありませんでしたし、事実それで、彼の荒らし⾏為はピタリと⽌みました。
 不誠実な⾔動に終始している者は、そうでない者に⽐べ遥かに、それが公にされる事を恐れる(※)。また、思慮分別に⽋ける者に制約を加える事が出来るのは唯⼀、恐れのみである。誰でも閲覧出来る掲⽰板で実名を公開すれば、不誠実な⾔動に終⽌する者に制約を加える事が出来、議論の質は向上するでしょう。⾃明ですが、余り合理的な思考⼒を持たない者であれば、中々気付かない事です。
 議論の質を重要視するならば、私の提案は有効ですよ。如何でしょうか?皆さん、少し考えてみられて下さい。

※:事実、私が何度も「双⽅の個⼈情報を明⽰した上で議論をしましょう」と呼びかけているにも関わらず、私に対峙する者たちはそれに応じませんでした。論に負け、不誠実な主張に終⽌する他なくなってしまっていた⾃分に、彼等も気付いていたのでしょう。
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 これに対し、最初の内は反応も悪くなかった。ところが、一人が悪意ある書き込みをすると、以後は荒らしの数が指数関数的に増えて行った。メンサ日本語コミュ掲示板での一件があるから、私を貶めたくて仕方がない。しかし、一人で私に相対する勇気はない。だが、私を攻撃する書き込みが増えて来た。これなら、自分が悪意ある書き込みをしても、誰かが慣れ合ってくれそうだ…匿名の影に隠れ、やりたい放題やらかす卑怯者の考える事など、その程度のものである。
 彼らは、私の書き込みに制約を加える様、新妻に求めた。そして、私も彼ら荒らしたちの書き込みに制約を加える様、新妻に求めた。ところが、新妻は彼ら荒らしたちの言い分だけを聞き入れ、私の言い分を聞き入れようとはしなかった。私は、彼らの主張を聞き入れ、私の主張を聞き入れない理由を問い質した。その時のやり取りは、概ね以下の様なものである。

 私:「彼らの意見を聞き入れ、私の意見を聞き入れない理由は何ですか?」
新妻:「(運営委員による)協議で、決まったからです」
 私:「どういった協議が、為されたのですか?」
新妻:「(JAPAN MENSAの)規約に基づく協議が為されました」
 私:「その”規約に基づく協議の内容”とは、どういったものですか?」
新妻:「合議に基づき、行われました」
 私:「そんな事を、聞いているのではない。その合議の内容を聞いているのです」
新妻:「規約に基づき、行われたものです」

 お分かりだろうか?私は、”私に制約を加え、荒らしたちに制約を加えない”という判断に至る過程で行われた議論の”内容”を聞いているにも関わらず、彼は話を摩り替える事により逃げ回り続けている。つまり、上記の判断に至る合理的な理由など、持ち合わせていないという事である。ただ単純に、メンサ会員を馬鹿にしている私に嫌悪感を抱いているから、真っ当な意見を述べている私の書き込みに制限を加える一方で、誹謗・中傷を繰り返しているだけの人間を擁護した。また、合議とは言っても彼と親しい者同士で、しかも内々に行うものだから、「伊賀上の方は、却下していいよね?」「うん、任せるよ」といった程度のものしか行われていない…それが真相であろう。新妻や、彼に親しい者たちにしてみれば、”あの伊賀上が、集中砲火を浴びている。いい気味だ、どんどんやれ!!”…そんな心持ちなのである。
 もっとも、私は端からこうなるであろう事は予測していた。何故なら、メンサ日本語コミュでのやり取りやMensans SNSより得た情報から、彼ら運営委員たちが私に対峙する”荒らし”たちと同様の感情を持ち合わせている事を、既に知っていたからである。通常、本物の高知能者であれば、知的な意見には興味を抱くし、そういった意見を述べる人間に対しても一定の敬意を払う(※20)。ところが、メンサ会員に至っては、たかだか上位10%程度の知能しか持ち合わせていない上に、それが動作性知能の方であるから、言語性知能に至っては通常人に近いレベルなのである。ならば、メンサ会員が通常人と同様の俗物であったとしても然したる不思議はない。メンサ会員の大半は、高知能団体に所属する必要性などない…即ち、通常人に理解されない程に高いレベルの思考力など持ち合わせていない、いわゆる”普通の人”なのである。
 ところで、これは余談だが、思い出したので書いておく。以前、冒頭で紹介したHとSkypeで話した時、彼は気になる事を言っていた。

”どうも新妻は、入会テストの点数を操作している節がある”

 新妻がメンサ日本支部トップの地位に収まるには、まずメンサ日本支部そのものが設立されなければ始まらない。そして、メンサ日本支部設立の認可を得るためには、日本在住のメンサ会員の数が一定数に達しなければならない。つまり新妻は、メンサ日本支部設立を急ぐために、彼が実施した入会テストの答案に手を加える事により、合格者を水増ししているのではないかと言うのである。
 この話を聞いた時点では、私もさほど気には留めなかった。ところが、木村美紀なる東京大学出身のタレントが、某テレビ番組の企画で受けたメンサの入会試験に落ちたという話を聞いた時、私は即座にこの疑惑が単なる疑惑ではない事を確信した。東京大学に入るのに、天才である必要はない。しかし一方で、人口上位2%に満たない知能の持ち主が入れるかと聞かれると、これは率直に言って難しいと言わざるを得ない。この程度の事は、受験指導に携わる人間ならば、誰しも分かっている事である。まして、メンサの入会テストは上位2%すらも保証しないのであるから、東京大学に合格してメンサの入会テストに落ちるなどという事は、基本的に有り得ない。
 東京大学出身者を不合格にし、その事が世間に知れ渡れば、メンサそのものの価値は高まり、入会希望者は増加する。権威あるものを利用し、価値の増大を図る…経営戦略としてはありがちな、この程度の事を思い付くのは、新妻にとって難しい事ではなかったはずだ。何故なら、新妻の本職は経営コンサルタントなのだから。
 彼ら荒らしたち― 以上の理由により、ここには当時の運営委員たちも含まれると考えるべきだろう ―の攻撃は、激しさの度合いを増して行った。メンサ日本語コミュ掲示板が閉鎖して、もう数年が経とうとしているのに、未だ衰える事のない負のエネルギーを目の当たりにして、私は彼らの心の傷の深さを知った。しかし、これは彼らが陰湿で下劣な感情を抑えられなかったばかりに、無謀にも分不相応な相手に攻撃を仕掛け大やけどを負ってしまったという話であるから、私が負い目を感じる筋合いの話ではない。私が彼らを思い遣らなければならない理由など、唯の一つとしてないのだ。
 彼等が求めているのは、本物の高知能者などではなく、ましてや天才などでは更々ない。慣れ合ってくれる相手…本物の天才ではないが、本物の天才になりたいという欲求を満たすべく、お互いを天才と認め合う”天才ごっこ”のに付き合ってくれる、同じくらいに凡庸で低俗な仲間である。つまり、彼らにとって本物の高知能者や天才は、彼らの”ごっこ遊び”の世界観をぶち壊し現実に引き戻す存在に他ならないから、そういった人間がメンサ内部にいる事に彼らは耐えられない。低すぎる入会基準がもたらす当然の帰結ではあるが、この時点でメンサは手の施し様がない程に腐敗したー (高知能団体であるにも関わらず)本物の高知能者を排斥し、低俗な欲望ばかりが横行する ―団体に成り下がってしまっていたのである。
 この辺りで引き払おうとも考えたが、もう少し粘れば少しはマシなのが出て来るかも知れない…そう考え、私は次の様な提案をした。

「外部の掲示板で議論しませんか?お互いの実名を公開し、自身の発言に責任を持たざるを得ない状況にお互いの身を置いた上で議論するのです。ご自分の発言に、自信がおありなんですよね?ならば、問題ないでしょう?」

 しかし、出て来たのは手応えのある会員ではなく、実名を公開しないのは責任逃れなのではないという体裁を取り繕うための、見え透いた言い訳ばかりであった。曰く、

「実名が分かれば、その情報を使い人のクレジットカードを不正に使用する方法があり、自分はその方法を知っている。だから、実名は公開できない」

 これに対し、私はこう応じた。

「私は、自身のウェブサイトで実名を公開しているが、一度もクレジットカードを不正に使用された事はありません。また、仮に不正使用された場合でも、クレジットカードならば保証が受けられる― 実名を公開するのは利用者側の落度とは言えず、よって保証の対象外にはならない ―はずです。更に言えば、人の財産を狙う悪党など、世界中に幾らでもいます。あなたの言う通り、実名からクレジットカードを不正使用する方法が本当に存在するならば、実名を知られている有名人は殆ど、被害に遭っていなければおかしいのではないでしょうか?」

 すると、この人物は途端にだんまりを決め込み、更に追求すると今度は別の会員が出て来て、「もう、誰もクレジットカードの話なんかしてない」といった何のフォローにもなっていない助け舟― 腐敗したなれ合いの精神に基づく ―を出して来た。
 当時、鳥取県在住だった”安田 英幸”(※21)はこう述べた。

「実名を公開すれば、責任を取った事になるというのが分からないな」

 私は、”実名を公開すれば、自身の発言に責任を持たざるを得ない状況が生じる”と言っているのであり、”責任を取った事になる”とは一言も言っていない。もっとも、彼はメンサの入会テストにすら一度落ちたメンサでも飛びきりのウルトラ馬鹿であるから、この程度のミスリードは大目に見るべきなのかも知れない。
 更に別の会員は、次の様に述べた。

「私のハンドルネームと実名は、多くの会員が知っている。だから私は、実名で書き込んでいる様なものだ」

 それに対し、私はこう応じた。

「実名で書き込んでいる様なものなら、いまさら匿名で書き込む必要はありませんね?さあ、お互いに実名を公開した上で議論を続けましょうか。どこの掲示板にします?」

 すると彼女は、”公正を期するために、自分の反論に対し一切の反論を加えないという条件を飲むなら、その条件に応じる”…と申し出て来た。一方の反論のみしか認められないのが公正であるという彼女の言い分は、いま以て全く理解できない。
 ところで、私に対する悪意を最も感じたのは彼女であったし、やり方が一番卑怯なのも彼女であった。本音の所では応じるつもりは一切ないが、逃げているとは思わせたくないから応じるという姿勢だけは示しておく。しかし、あれこれと条件を付けて来るのである。それらの条件を無碍に断れば、”では、応じません”と言って来るのは分かり切っているし、それこそが彼女の狙い目である事も見え透いている。ならば…私は、彼女の提示する条件が不合理である事を丁寧に示しつつ、徐々に逃げ道を塞いで行った。
 彼女の回答のペースは、徐々に遅くなって行った。これは、困惑しているのもあるが、誰か他の荒らしが助け舟を出してくれるのを待つ狙いもある。悪意は強い、往生際は悪い、慣れ合いは好む…こういう腐り切った人間が、世の中を駄目にして行くのである。
 私は、これでは埒が明かぬと以下の様な感じで詰めにかかった。

「さて、これでもう何も障害はありませんね。議論の続きは、外部の掲示板で互いの実名を公開してから行いましょう。あなたの書き込みが、その実名と共に周囲の人間や生徒(この人物が講師業である事は、過去の書き込みにより判明している)の目に触れるのが楽しみです」

 すると、ここで新妻から横槍が入った。私は、これよりも前に掲示板の書き込みをプリントアウトしたものを知人に見せた(※22)際、その知人がメンサ会員の知的・人間的程度の低さに呆れ果てていた様子を書き込んでいた。その話を、今頃になって問題視し始めたのである。つまり、彼女が切望していた助け舟がJAPAN MENSAで最も強い権限を持つ人物から出された訳だ。
 新妻は、その人物が会員か非会員かを述べるべく私に迫り、それに答えなければ私のアカウントを停止する旨の通告をして来た。しかし、JAPAN MENSA基本規約では、以下の様になっている。

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25. 争議の解決
(b) 運営委員会は、公平かつ偏見のない事情聴取を行った上で、メンサに不都合な行為を行ったとみなされた会員に対して、制裁を課すことができる。
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 規約によれば、これ以外に制裁の規定を定めた条項は存在しない。即ち、”公平かつ偏見のない事情聴取”を行っていない段階に於いて制裁を課す事は許されないのである。
 私は、新妻の要求が不当なものである旨を伝えた上で、その要求を拒否した。すると、暫くして再度ログインしようとした時には、私のアカウントは停止されていた。斯くして、私は、JAPAN MENSAにより処分された最初の人となったのである。

※20:これは、例えば音楽的な素質のある者が音楽に興味を抱き、また優れた音楽を創り出す者に対し敬意を払うのに似ている。
※21:彼は”梅どぶろく”というハンドルネームで書き込んでいたが、私が裏ルートより入手した会員名簿― あまり詳しい事は書けないが、私の支持者(私に触発され入会した人物の一人)からの提供による ―により実名が発覚した。尚、私が彼に”ネット上で実名を公開しても良いか?”と問うた所、「したけりゃ、すればいいじゃないですか」との返答を得ているので、ここで実名を公開する事に関しては本人の了解を得ている。また、彼はメンサ日本語コミュ掲示板やMensans SNS内でも常に私に対峙する者たちに馴れ合うといった形で― つまり、人の影に隠れつつ ―私への攻撃を執拗に繰り返して来ており、その知的拙劣さと精神的な腐敗度ではメンサでも指折りの人物である。
※22:掲示板の書き込みを見せた相手は、Geniusesの会員である。尚、彼らの所見は「2ちゃんねると、大して変わりませんね」「彼らの反応は、高知能者によく見られる傾向のものとは異なりますね」であった。私も所見も、同様である。

 アカウント閉鎖後、すぐに私の下にメールが届いた。運営委員(法務担当)の熊谷直高(以下、熊谷と表記)が、事情聴取をしたいと私に申し出て来たのである。彼らにしてみれば、私を追い出すという第一の目的は遂げたが、運営委員が不誠実極まる対応に終始した事、及び特定会員に対し不当な待遇を強いていたなどという事が外部に漏れる事だけは、何としてでも避けたい。私は、問題の掲示板のファイルを予め渡すならば事情聴取に応じる旨、彼らに伝えた。私の方は彼らの悪意に満ちた対応を追求するつもりでいるから、これだけは絶対に必要である。予想通り、熊谷は”個人情報の漏洩を防ぐため”という名目で私の提示した条件を拒否した。しかし、匿名掲示板の書き込みはどう解釈してみた所で個人情報とは言えないし、仮に個人情報が含まれていたならば、そこだけを編集するなりマジックで塗り潰すなりといった処置を施せば済む話であるから、これは明らかに言い訳である。私は、こちらの出した条件を呑まない以上、事情聴取には応じない旨、熊谷に伝えた。
 それから暫く経った後、メンサ運営委員の改選に伴い方針が変更された旨の手紙が私の下に届いた。それによると、事情聴取の間であれば問題の掲示板をプリントアウトしたものを渡しても良いという。そんな折、私は久々にGeniusesの会員専用ページにログインした。Geniusesの会員専用ページには、一見すると一企業の公式ウェブサイトにしか見えないページからログインする。数あるフォームの内の2つに、自身のIDとパスワードを入力するのである。実を言うと、これは私のアイディアなのだが、我ながら面白い事を考え付いたものだと思う。
 私がログインしてチェックする所は概ね掲示板だが、その掲示板を最もよく利用していたのは前述のTとY・K(以下、Yと表記)であった。その日、私はいつもの様に多少毒の混じったジョークから入り、政治について論じ合っていたが、ふとしたきっかけから話題は例の手紙へと移った。するとYは、次の様な事を言い出した。

「いい機会なんじゃないですか。この際、メンサという団体について色々と探ってみましょうよ。何か、面白い事が分かるかも知れませんよ」

 するとTもそれに賛同し、またメンサの実態に切り込むべく質問集を作成する事を自ら買って出た。
 Tが作成する事になっていた質問集は、なかなか出来上がらなかった。彼は、医師としての仕事の他に会社の経営もしているから、そう多くの時間は割けない。しかし一方で、私が「もう、いいよ。忙しいんだろう?」と言うと、彼は「いや、あと少しだけ待ってくれ」と言う。そうこうしている内に、彼は仕事の都合で二ヶ月程、来る事が出来ないと言い出した。しかし、それでは事情聴取に間に合わない。私は仕方なく、事情聴取の期日の延期をメールで申し出た。
 この頃になると、私に対応する人間が熊谷から巣立義昭(以下、巣立と表記。尚、巣立はJAPAN MENSA副議長(当時)であり、”Roi(若しくは、UROBOROSU) ”という名称を好んで使用している)に変わっていた。この巣立について、少しだけ触れておく。
 彼は私の事情聴取(これについては、後述する)の際に同席していたが、私には彼を見た瞬間に思い出す人物がいた(この事は、後に巣立に伝えた)。その人物は高機能自閉症(※23)で、空間認識能力に優れ行列推理を非常に得意としていた。一度などは、複雑に折った紙を複雑に切ったものの展開図を、ものの数秒で示してみせた事がある。また、彼には直観像記憶能力(※24)があったのではないかと思う。彼は、どんなに複雑な形状のものでも、僅かな時間を与えるだけで正確に覚える事ができた。だが、彼には社会不適合という重大な欠点があった(※25)。また、彼は慶應義塾大学で建築について学ぶ事を望んでいた(※26)が、彼の言語性知能は人並みであったため、その努力が報われる事は遂になかった。
 彼と同じタイプと思われる人物には、他にも何度か出会した事があるが、彼らは何れも高学歴ではなかった。このタイプは基本的に、(社会性のみならず)言語性知能までをも犠牲にする事により動作性知能の一部に特化し発達させた、サヴァン症候群(※27)に近い人種なのかも知れない。
 延期の申し出は、すんなりと受け入れられた。しかし、事情聴取の日取りはT次第であるから、彼からの連絡がない事には何も決められない。一ヶ月以上が経過した頃、一通のメールが私の下に届いた。Tからだった。

「もう少し、時間を稼いで下さい。ちょっと今、忙しいので」

 しかし、中途半端な状態でこれ以上待たせる訳には行かない。私は仕方なく、少し余裕を以て日時の候補を挙げた。すると、それから間もなくしてTからメールが届いた。

「メンサの入会テストを作成した人物の名前だけ、聞いておいて下さい。その人物から直接、話を聞いてみようと思います」

 この数ヶ月の間、彼は何をしていたのだろう。私は、殺意を覚えた。
 上記の質問は、巣立へのメールの中で行った。考えてみれば、敢えて直接会うまで待つ理由はない。その際の巣立の返答は、概ね次の様なものであった。

「自分も知らないので、議長(新妻)の方からお答えします」

 事情聴取の日取りは、2012年12月16日と決まった。

※23:アスペルガー症候群と同じく自閉症スペクトラムに属するが、アスペルガー症候群が通常”言語性知能 > 動作性知能”であるのに対し、高機能自閉症は”言語性知能 < 動作性知能”である点や、アスペルガー症候群が知能全般に渡り発達しているのに対し、高機能自閉症は動作性知能に偏りが見られるなど幾つかの相違点がある。また、これは飽くまで私の個人的な見解であるが、アスペルガー症候群は知的専門職者や聴覚的芸術家に多く、高機能自閉症は視覚的芸術家に多い様に思う。
※24:視覚により捉えた対象を、そのまま記憶する能力。作家の三島由紀夫や画家の山下清、神戸連続児童殺傷事件の少年Aなどは、この能力があったとされている。
※25:これは、直観像記憶能力者の多くに見られる傾向である。
※26:数名の方から”慶應義塾大学に建築学科はない”との指摘を受けたが、彼は確かに慶應義塾大学にこだわっていた(福沢諭吉を、尊敬していた)し、建築家になる夢を語っていた(彼のデッサンを、幾つか見せて貰った事がある)ので、私の記憶違いではない。おそらくは、周辺領域で学ぶか、若しくは他大学の院に進む事を考えていたものと思われるが、彼は既に故人であるため、今となっては確認する術はない。
※27:特定の分野に限り、驚異的な能力を発揮する症状。キム・ピークなどが有名。

 事情聴取は、喫茶店ルノワールのニュー新宿三丁目店にある貸会議室で行われた。その日、私は夕方まで仕事があったので、夜中でなければ時間が取れない。開始は19時で、私の到着したのも大体それ位だった。
 私が到着すると、新妻・巣立・佐藤加津美(以下、佐藤と表記)の3名が着席して待っていた。それまでは、おのおの談笑していた様子であったが、私が着くや否や3人が一斉に手元の資料に目を遣る。どうやら、気まずさを感じていると見える。
 私は、2人ずつ対面式に座る長方形のテーブルの入り口に近い席に座った。私の正面は巣立、左側が佐藤、左側斜向かいが新妻である。事情聴取の進行役は巣立が務めた。しかし、私が追求したいのは新妻である。私は専ら新妻に向かい問いかけた。
 ここでの話は、簡単に済ませようと思う。と言う以前に、語れる内容など殆どない。何故なら、始まって直ぐの段階で、まともなやり取りが出来る場ではなくなってしまったからだ。
 事の発端は、こうである。私が、例の質問をぶつける。

「メンサの入会テストは、誰が作成しているのですか?」

 新妻の答えは、次のものであった。

「はい、お答え致します。公開しておりません」

 私は、絶句した。”答えられない”という返答は、答えた内には入らない。そもそも、答えられないなら、メールで問い合わせた段階で”答えられない”と断っておくのが筋ではないか。これでは、明らかに誠意に欠けている。私は、抗議した。すると新妻は、自分たちの質問が終わった後で、改めて答えると言う。私は、一通り質問に答えた。そして、一区切り付いた所で再度、先の質問をした。すると、新妻の答えはこうだった。

「はい、公開しておりません」

 私の、”答えになっていない”という抗議に対し、彼は”自分たちの質問が終わった後、改めて答える”と回答した。これは、「公開しておりません」が答えになっていないというこちらの抗議を汲み取ったと解釈するのが自然であろう。問題の掲示板での遣り取りでもそうだが、彼はこういった卑劣な事を平然とやらかす。もしかしたら、彼にもサイコパスの気があるのかも知れない。
 私は、巣立と佐藤の二人を問い詰めた。「この新妻の対応は、どうなのか?」…と。すると二人は、問題ないと言う。これで、はっきりした。彼らは端から、公正な立場から応じるつもりなど更々ない。彼らは、メンサ運営委員ではなく、問題の掲示板に数多く出没した会員たちよろしく、悪意ある個人として私と接しているのだ。
 私は、以後の質問を全て「公開しておりません」で対応した。彼らにしてみれば、これが答えになっているのだから問題はないはずである。すると巣立は、”話が、進まない”と言う。しかし、彼の言う”話が進んでいる”状態とは、”彼らの都合に合わせて進んでいる話を、私が無批判に受け入れている”状態であり、これは”リンチ裁判に、素直に応じようとしない”と言っているに等しい。話し合いを前向きに進める上で必要な信頼関係― 正しいものが、正しいものとして受け入れられるという安心感 ―を打ち壊したのは彼らの方なのだから、私を非難するのは筋違いというものである。
 年が明けた02月25日、巣立は私への処分を通達して来た。その内容は、”除名処分は行わないが、掲示板の内容や会員だけが入手できる情報等を会員以外には見せない、見せるといった予告等もしない”旨の誓約書の提出、及び(問題の)電子掲示板の内容を紙に印刷し見せた相手の氏名を公開すれば、IDの停止を解除するというものであった。これを受け、私は新妻に自らの非を認識しているか否かを確認するメールを送った。彼からの返事はない。私は、公的な紛争解決の場― 法廷 ―で、彼らと争う事にした。

 私の裁判というものに対する考え方は、おそらく多くの人々とは異なっている。私は、日本の法曹の知性というものを全く信用していないため、裁判を”正しい判断に委ねる”ための手続きだなどとは考えていない。ただ、自分で問題提起する事が出来る上、半ば強制的に相手に応じさせる事が出来る(※28)から、使い方によっては証拠能力の高い資料を得る上で有効なツールになると考えている。だから私は、訴訟は全て自分で行う。その方が、裁判の流れをコントロールし易く、自分の望んだ資料を得やすいからだ。
 今回、訴状を書く上で最も迷ったのは請求の趣旨である。当時のJAPAN MENSAの所在地は長野県(新妻の所有地)であったから、本来であれば私がその所在地を管轄する裁判所まで赴かなければならない。しかし、請求の趣旨に債権の請求が盛り込まれていれば、裁判は私の住所地を管轄する裁判所で行われる事になるから、債権の請求は盛り込んでおいた方が良い。また、本来請求すべくはID停止の解除だが、それを盛り込むとなると訴訟物の価額が160万円上乗せされる事になり、一審が簡易裁判所ではなく地方裁判所で行われる事になる(※29)。すると、上告審まで縺れ込んだ場合は最高裁判所で争う形となるが、これは棄却になる可能性が極めて高く(※30)、資料を得る機会が一回分失われてしまう。私は、一審の裁判所を簡易裁判所にすべく、慰謝料の支払いに絞り裁判を起こした。
 ここで、下記の資料に目を通して頂きたい。尚、これら関連資料は裁判所に出されたものを殆どそのまま公開しているが、訴状と答弁書の最初の頁だけは私と新妻の住所、及び電話番号が記載されているので割愛した。また、職場への影響が懸念されるため、私の職業についても伏せてある事を予めご了承頂きたい。

訴状        …請求内容、及び、その理由が書かれた書類。
求釈明申立書    …相手側による説明を、裁判所に求める書類。
文書提出命令申立書 …証拠となる文書の提出命令を、裁判所に求める書類。
答弁書       …訴状に対する、被告側の抗弁が書かれた書類。
原告準備書面(一) …答弁書に対する、原告側の抗弁が書かれた書類。

 これら関連資料と本文とを併せ読めば、私とメンサ(私に対峙していたメンサ会員、及び、JAPAN MENSA運営委員)との間に何が起きたのか、粗方お分かり頂けるものと思う。以後は、この裁判の顛末について語って行く。
 JAPAN MENSA側の主張は、私の提出した原告側準備書面(一)を読んで頂ければ分かる通り、嘘で塗り固められたものであった。中でも、問題の掲示板に於ける私の書き込みを編集し、あたかも私の方が悪意ある言動を繰り返しているかの如く見せかけるに至っては、卑劣と言う他ない。もっとも、私としてはその程度の事は想定していた。だからこそ、訴状と併せて文書提出命令申立書― 証拠書類の提示要求 ―を用意したのである。彼らが、証拠書類を提出するか、或いは不合理な理由をあれこれと並べ立て提出しない事によって、ありとあらゆる事- メンサ日本語コミュ掲示板に於いて、私に敗北を喫した多くの会員たちが、その腹いせとして誹謗や中傷を繰り返して来た事や、それが問題の掲示板での一件に繋がっている事、そして、JAPAN MENSA運営委員もそれらの荒らしたちの一部であり、それがために私の会員としての権限に制約を加える上で、適切な手続きなど何も行われていなかった事 -は、白日の下に晒される…私は、そう考えていた。
 ところが、ここで想定外の事が起こった。本件の担当判事(裁判官)である町田俊一(以下、町田と表記)は、文書提出命令の申し立てを退けたばかりか、JAPAN MENSA側の主張のみを一方的に採用し、事実認定してしまったのである。重ねて強調するが、町田はJAPAN MENSA側により提出された、恣意的な編集が加えられた証拠の証拠能力を認め、全てを白日の下に晒すべく証拠が示される必要性を認めなかった。これは、考えられない事だ。
 結果は、言うまでもなく敗訴であった。ここで、併せて公開している”判決”に、を通して頂きたい(※31)。私が、処分の不当性を訴える理由は、

① 制裁を課すには、JAPAN MENSA規約25条にある通り”公平かつ偏見のない事情聴取”が行われなければならないが、少なくとも私のIDが停止された(会員としての権利が侵害された)時点に於いて、それは行われていない。—(訴状:第二-②)
② 匿名で書かれた掲示板の書き込み内容は、”特定の会員に関する情報”には当たらない。よって、JAPAN MENSA規約24条に反しているとするJAPAN MENSA側の主張は成立しない。—(訴状:第二-③)
③ 公平性を欠いている。—(原告側準備書面(一):第二-①-4)

の三点であるが、まず判決では①と③の点が無視されている。また、②に関して言えば、JAPAN MENSA規約にある”特定の個人に関する情報”に、匿名の掲示板に書かれた内容までもを含んで解釈する事が不適切である理由を、原告側準備書面(一)で示しているにも関わらず、それを(説明も何もないままに)認めてしまっている。文書提出命令の申し立てが却下されたのは、町田が単に私が掲示板のデータを外部の人間に見せたかどうかのみが争点であると考え、その点に於いて争いがないからである。しかし、それでは余りにも短絡的であるばかりでなく、私には文書提出命令を認めさせる事により、運営委員による厳正な決議などなかった(悪意に基づく判断が、馴れ合いにより成立していた)事を明るみにする狙いもあるから、文書提出命令だけは何としてでも認めさせたい。
 控訴審については省略する。と言うのも、これについても文書提出命令が認められなかったため、新たな展開は何もなかったからである。控訴審は一審の続審という位置付けであるため、新たな証拠が挙がらなければ基本的に判決が覆る事はない。全てを白日の下に晒す証拠はあるが、それはJAPAN MENSA側が握っている。従って、文書提出命令が認められない事にはどうしようもない。
 控訴審での敗訴が決定した後、私は上告審での戦い方を模索していた。とにかく、文書提出命令が認められない事には新たな展開は生まれそうにない。しかし、それを認めさせるには、JAPAN MENSAという組織の実態を明るみにし、判事の心象に変化を与えなければならない。何とかして、JAPAN MENSA側の尻尾を掴む事は出来ないか…そう考えつつ、JAPAN MENSAから届いた過去のメールマガジン(※32)をチェックしていた私の目に、とある記事が飛び込んで来た。以下のものは、2014年01月11付で配布されたJMNの抜粋である。

Japan Mensa News – 97号(一部抜粋)

 当該記事は、一見してJAPAN MENSA運営委員の間で生じている内部分裂を思わせる内容である。また、このメールマガジンが配布されてから既に二ヶ月余りが経過しているから、もしかしたらこの二ヶ月余りの間に、事態は新たな展開を迎えているかも知れない。私は、この辺りの情報をもう少し集めてみる事にした。
 だが、ここで一つの問題が生じた。私は会員権の更新をしなかったため、この時点で既に退会の扱いになっている。従って、MENSAから資料を取り寄せるには、再度入会しなければならない。私は、即座に入会の手続きを取った。
 入会の手続きを取るには取ったが、入会から資料の入手に至るまでの手続きは酷く難航した。以下は、余りにも酷いJAPAN MENSA側の対応に対し抗議すべく送ったメールである。

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 私は、再三に渡る要求をして来ましたが、未だ誠意あるお返事を頂けておりませんので、もう一度だけ通達致します。
 現時点までに私は、以下の被害を受けております。

① 私は会員権を昨年末で切らしてしまったため、再度の入会をJM公式ウェブサイトのフォームから申請したが、二度に渡り無視され、三度目でようやく入会の案内が届いた。
② 入会の申請をした際、JMが発行するメールマガジンのバックナンバー(2、3月分)の送付を要求したが、それは無視された。また、入会の案内が届いた後、JM公式のウェブサイトのフォームより状況確認の問い合わせを4日連続で行ったが、それらも悉く無視された。
③ 現在、私はJM公式サイトへの入室が制限されており、JM公式サイト内にあるメールマガジンのバックナンバーが入手出来ない状況にあるため、それをお送り頂く様、再三に渡り要求して来ているが、それは未だに果たされていない。

 ①、②は何れも、私に対する悪意が読み取れるものであり、また③に至っては、会員の権利を侵害しております。
 誠意ある対応を、期待します。
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 このメールを送ってから暫く経った後、私は裁判所から判決文を受け取った。内容(抜粋)は以下のものである(※33)。

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主文

1 本件上告を却下する。
2 上告費用は上告人の負担とする。

理由

 本件記録によれば、上告状には上告理由の記載がなく、また、上告人が平成26年02月22日上告提起通知書の送達を受けたこと、上告人は前記上告提起通知書の送達を受けた日から法定の期間内に上告理由書を提出すべきであるにも関わらず、同期間内に上告理由書を提出していないことが明らかである。
 よって、民事訴訟法316条1項2号に従い、本件上告を却下し、上告費用の負担につき同法67条1項、61条を適用して、主文の通り決定する。

平成26年04月17日 さいたま地方裁判所第5民事部 
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 控訴や上告の意志は、控訴状や上告状により示されるが、その中で理由が示されていない場合(こちらの方が、一般的である)、それは控訴理由書や上告理由書を以て示されなければならない。私は、うっかりしていた。いや、期限がある事は重々承知していたが、控訴審の時と同様、何らかの知らせがあるものと考えていた。今回は、今迄になかった情報が集まりそうだ。ならば、期限ギリギリまで情報を収集し上告審に臨もう…そんな思いが仇となってしまった。
 だが、私が本当に怒りを覚えたのはこの後である。民事訴訟の場合、判決の場に立ち会う必要はなく、その結果は多くの場合、自宅に郵送されて来る判決文により知る事となる。郵送であれば数日のタイムラグが生じるが、今回の場合、私の自宅に届いたのは判決から2日後の04月19日だった。そして、判決文はおそらく私とJAPAN MENSAの両方に向け同時に発送しているから、私の自宅に届いたのと同じ日にJAPAN MENSAの本拠地(当時は長野県)にも届いている。つまり、JAPAN MENSA側が裁判の終結を知ったのは、私と同じく04月19日と考えられる。
 裁判終結の日の翌日、即ち04月20日になって、あれだけ催促したJMNを閲覧するのに必要なIDとパスワードが私にも(メールで)知らされた。私には、これがJAPAN MENSA側の故意であるとしか思えない。何故なら、JMNのバックナンバーの中でもひときわ異彩を放つ號外― 圧倒的な分量を持つ、あの当時で唯一の特集号 ―が、以下の内容のものだったからである。

Japan Mensa News – 號外

 私は、新妻や巣立が働いた悪事の数々をここに列挙しようと考えたが、途中でやめた。余りにも多すぎるからだ。ただ、これだけは言っておこう。
 新妻が文書提出命令を避けるため、裁判所に提出した書類に書かれていた文言は以下のものである。

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 (3)(4)は、委員会内の議事録であり、個人の会員資格に関するものであるため、クローズド会議として行われており、当然議事録も非公開となっている。運営の信頼性を覆すような行為となる議事録の公開はできません。又、誰がどのような発言をしたかを記録を公開しなくても、原告には運営委員会としての結論を伝えているので、議事録の公開は本件に必要ではないと考えます。
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 これと、以下(”Japan Mensa News – 號外”からの抜粋)のものを、併せて読んで頂きたい。

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 新妻議長は、自分は人の名前を覚えるのが苦手だから私の写真を撮らせてほしい(その写真に私の名前を入力して携帯に保存するとのこと)と言い、携帯で私の顔を撮影なさいました。
 それをきっかけに、携帯にはいろんなメンサンの写真を入れていると言って、それらを見せてくださいました。それから、今日のテストの受験者たちの、受験会場で撮影した顔写真も見せてくださいました。そして、その写真の中のとあるひとりの男性について、「この人は、1度落ちて、2度目の受験者。」「今日のテストで、問題冊子の色が違う人がいたでしょ?あれ、2度目ってことだよ。」などと話されました。
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 これは、JAPAN MENSAにより企画された酒の席での一幕であるから、運営委員の内の数名はこの場面を目撃していたものと見て間違いないだろう。また、私は以前、とある例会(※34)に参加した会員(※35)から、新妻と彼に親しい会員たち数名(※36)が、登録された住所を元に他の会員たちの自宅を(インターネットで)検索し面白がっていたという話も聞いた事がある。
 これまでに明るみになった様々な事実から、彼ら運営委員たちが個人情報、並びにプライバシーに関する情報を不適切に用いていたばかりか、それが半ば常態化していたであろう事は想像に難くない。つまり、個人に関する情報が含まれている事を理由とした掲示板や議事録の開示拒否は、言い訳に過ぎないという事である。そもそも、個人に関し言及している事が問題であるならば、その個人名だけを伏せれば済む話ではないか。その点から考えても、彼らが掲示板や議事録の開示を頑なに拒む事が、如何に不自然であるかが分かるというものである。
 JAPAN MENSA運営委員たちは、上記の資料(Japan Mensa News – 號外)が法廷に持ち出される事により、JAPAN MENSAに対する信頼が失墜し文書提出命令の申し立てが認められる事を恐れた。何故か?それは、文書提出命令が認められれば、彼らの私に対する悪意やそれまでに並べ立てた嘘の数々が明るみになってしまうからである。そして、文書提出命令を認めさせないために、彼らは何をしたか?JMNの閲覧に至る手続きを故意に― 裁判終結の日まで ―遅らせる事により、私の手に資料が渡る事を阻止した。姑息という他ない。
 一つ、言っておこう。これを読まれている方の中には、”新妻や巣立の悪事を糾弾しているのだから、JAPAN MENSA内に於ける自浄機能はちゃんと働いているのではないか?”と思われる方もいるかも知れない。しかし、それは違う。彼らは、共通の欲求の下では、それがどんなに理不尽なものであっても協調して押し通そうとするのである。今回、新妻や巣立が糾弾されたのは、余りにも我儘が通り過ぎるがために箍の外れた彼らの欲求が、他の運営委員たちの欲求にそぐわなかったからに過ぎない。

※28:”応じたくないものに関しては、応じなければそれまでではないか?”と思われるかも知れないが、応じないという事実そのものが、相手に非がある事を示す情況証拠となり得る。私が裁判に期待するのは、そういったものまでをも含めた、広い意味での証拠資料の獲得である。
※29:訴訟物の価額が140万円以下であれば、一審は当該地域を管轄する簡易裁判所で行われる。
※30:最高裁判所は、統一的な憲法、及び法令解釈を示す必要性を認めない事案に関しては、基本的に棄却する。日本の司法に於ける現状は、事実上の二審制であると考えた方が良いだろう。
※31:訴状や答弁書と同様の理由により、最初の頁のみ割愛する。
※32:”Japan Mensa News”と言う。略称はJMN。
※33:判決の理由は、主に判決文の最初の頁に書かれているが、同じ頁に私と新妻の住所の記載があるため、ここでは判決文をPDF化したものではなく、必要箇所を転記したものを公開した。
※34:メンサ会員のみが参加できる、交流会の様なもの。
※35:こう証言をした会員(女性)も、JAPAN MENSAが正式なナショナル・メンサとして認可された(日本在住のメンサ会員が、新妻一派の管理下に置かれた)段階で、メンサを退会している。
※36:これは、JAPAN MENSAが正式なナショナル・メンサとして承認される前の話であり、その彼に親しい会員たちの多くは、後に運営委員になっている。

 メンサについて語りたい事は、他にも山ほどある。だが、多くを書き過ぎると、本当に伝えたい事がぼやけてしまうので、ここまでに書き切れなかった事をあと二つだけ書いて、終わりにしようと思う。
 私は、問題の掲示板で自身のウェブサイト(このウェブサイトの事)を持っており、そこでは実名を公開している旨の発言をした事がある。すると、その直後から私の名前で検索し、私のウェブサイトに辿り着く者が数十名ほど増えた(※37)が、その中の一つは、次の様なホスト名(前半部分を省略)を持っていた。

”yosida.nagano.ocn.ne.jp”

 一見して回線所在地が分かるので、OCNのホスト名は目に付き易い。また、この回線からのアクセスは、およそ二年に渡り頻繁にあり、新妻が失脚したと思わしき時期を境に激減している。ところが、最近になって…具体的に言うと、私が本ウェブサイトで、メンサに関する記事を近日公開する旨の予告をした辺りから、再度アクセスして来る様になった。
 これらの状況に鑑み、この回線から私のウェブサイトにアクセスして来ている人物は新妻であると見て間違いなかろうと思う。しかし彼は、何を思い私のウェブサイトにアクセスして来ていたのだろうか?やはり、自身の悪行が暴露されるのを恐れているから?また、失脚と時を同じくしてアクセスして来なくなったのは、JAPAN MENSAが彼にとって重要ではなくなったからか?
 もう一つは、脳科学者の中野信子氏に関してである。彼女は、かつてはJAPAN MENSA運営委員の一人であったが、2014年08月13日付のJAPAN MENSAからのメールを見てみると、以下の様にある。

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運営委員の辞任のお知らせ

8月10日、運営委員・中野信子さんから委員を辞任する旨の表明があり、運営委員会での評決により辞任を承認しました。
委員の補充等については現在検討中であり、決まり次第発表させていただきます。

JAPAN MENSA運営委員会 議長 竹市 悟己
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 彼女に何があったのか、私は知らない。だが、彼女は運営委員を辞任した翌年、メンサそのものも退会している。もしかしたら彼女は、メンサの本質的な部分― 私が気付いている内の、幾つかの部分 ―に、気付いたのかも知れない。

※37:アクセス解析による。

【Geniusesのその後】

 Geniusesについての記述が中途半端になってしまったので、ここで簡単に補足しておく。JAPAN MENSAによる事情聴取から、間もない頃の話である。急にGeniusesの理事の一人が、どこかのタイミングで会えないかと私に聞いて来た。何事かと聞くと、直接でなければ話せないと言う。私は、ならば行かないと答えた。すると、何が何でも来て貰わなくては困ると彼。ならば、用件を言えと私。すると彼は、ようやく重い口を開いた。
 用件というのは、Geniusesが内部分裂の危機に直面しており、それを防ぐための話し合いをしたいというものであった。方針を巡る争いがある事は、私も以前から知っていた。だが、それが決定的なものになりつつあると言う。私は、それぞれの派閥のリーダー格の人間から、メールで話を聞く事にした。
 私は、聞いた話を元にレポートを作成し理事会に提出した。内容としては、この分裂を修復する事はもはや不可能であり、どうしても結論を出し急ぐのであれば、分裂か解散かのいずれかしか選択肢はないが、活動休止という形を取り時間の経過を待つという手立てもあり得るというものだった。
 私は話し合いには参加せず、事の成り行きを見守り続けた。すると、もう年の瀬も押し迫った頃になって、活動休止の措置を取るという事後連絡が私の下に届いた。
 活動は休止されても、例の一般企業の公式ウェブサイトに扮した会員専用ページは機能していた。しかし、活動休止が宣言された二年後にそのウェブサイトは何の前触れもなく消滅し、それ以後はTを除く理事や他会員との連絡は取っていない。
 Geniusesは原則非公開であるから、こういった形で公にする際には理事会の許可を得なければならない。しかし、その理事会と連絡が取れないので、私は理事の一人であるTに許可を得る事で一応の手続きを踏んだ事にした。
 本ウェブサイトを閲覧している、元Geniuses会員の皆さん。もし、再開する事がありましたら、私にも声を掛けて下さい。今度は、今までよりも少しだけ多く様々な行事に参加させて頂きますよ。

【参考】

 裁判は原則公開であるため、裁判所まで足を運べば一連の裁判に関する資料の閲覧は可能である(※38)。以下、事件番号と裁判所を記しておく。

・一審(告訴審):平成25年(ハ)第311号/川越簡易裁判所
・二審(控訴審):平成25年(レ)第227号/さいたま地方裁判所
・三審(上告審):平成26年(レツ)第004号/さいたま地方裁判所(※39)

※38:公的な身分証明書と印鑑(認印で良い)、150円分の収入印紙が必要。尚、裁判終結から五年が経過すると判決以外の記録は原則破棄される。
※39:本来ならば東京高等裁判所であるが、準備書面が提出されなかったため、上告状の提出先であるさいたま地方裁判所で処理されている。