私が小学五年生の時(三角形の面積を学習した時)に考え付いた簡単な公式を、一つ紹介しようと思う。次の図を、見て頂きたい。8個並んでいる図を、左上から右下にかけて図1、図2…図8とする。
図1の三角形に対し、a~dと長さを定める(図2)。すると、三角形の面積Sは、
で求める事が出来る。以下、その理由を説明する。
まず、図3の様に、三角形に外接する長方形と、その長方形の各辺に直交する二つの頂点を通る直線を引く(灰色の線)。また、この三角形は、図4の様に三つの三角形X,Y,Xに分ける事が出来る。図5で、XとX’、YとY’は底辺と高さが同じ三角形だから、面積は等しくなる。また、この事より、”(X+Y+Z)=(X’+Y’+Z)”が言えるから、元の三角形の面積は、図6に示された図形の面積と等しくなる。図6の三つの三角形は、図7で示した黄緑色のL字型の部分の面積の半分になる。また、図8から分かる通り、黄緑色のL字型の部分の面積は、”ac+bd”で求める事が出来る。以上の事より、求める三角形の面積は、黄緑色のL字型の部分の面積”ac+bd”の半分であるから、上記の公式が成り立つ。
ちなみに、aとdを底辺(上底・下底)とした台形から、三角形2つ― aとb、cとdを底辺・高さとする直角三角形 ―分の面積を引いた方が、証明としては簡潔である。しかしながら、この公式を考え付いた当時は、まだ台形の求積式を知らなかった。よって、この様な煩雑な証明となってしまった次第である。